こんにちは。京都市伏見区にある「ひらうち歯科」です。
インビザライン矯正はマウスピース矯正のひとつです。アライン・テクノロジー社が開発した世界中で注目されている矯正方法です。
インビザラインでは透明なマウスピースを使用しますが「マウスピースが浮く」「しっかり密着していない気がする」などの悩みを抱える方がいます。マウスピースが浮く場合、正しい位置に歯が動かないなどの問題につながるかもしれません。
今回は、インビザライン矯正のマウスピースが浮く原因と、浮いたまま装着するデメリットや対処法について解説します。
目次
インビザライン矯正のマウスピースが浮く原因
インビザライン矯正中にマウスピースが浮くと、正しい方向に歯が動かないなどの悪影響が出ます。対処法をお伝えする前に、インビザライン矯正のマウスピースが浮く主な原因を確認しましょう。
装着時間を守っていない
インビザライン矯正のマウスピースの装着時間は、1日20時間以上とされています。慣れないうちは長時間に渡ってマウスピースを装着することを、つらいと感じる人もいるかもしれません。
ワイヤー矯正で使用する矯正装置とは異なり、インビザラインのマウスピースはご自身で着脱可能です。
しかし、1日の装着時間を守れていなければ十分な矯正効果を得られません。1日であれば問題ないことが多いですが、装着時間が20時間未満の日が続くと歯の移動がうまく進まないでしょう。中途半端に動いた歯によってマウスピースが浮くようになるかもしれません。
マウスピースの交換直後でフィットしていない
インビザライン矯正では、10日~2週間に一度マウスピースを交換します。1枚のマウスピースで移動できる歯の距離は0.25mm程度なので、複数のマウスピースを使用して理想の歯並びを目指すのです。
それぞれのマウスピースでの歯の移動を完了させてから次のマウスピースに移行するので、交換直後は実際の歯の位置とマウスピースのずれが大きくなるでしょう。そのため、交換直後は浮くように感じることが多いです。
この場合は2〜3日装着を続ければ、歯の移動が進んで改善されることが多いです。浮きやすい時はマウスピースの装着時にチューイーを使用して、しっかり密着させてください。
マウスピースを正しく装着できていない
マウスピースは食事や歯磨きの際は外さなければならないので、その度に装着し直さなければなりません。マウスピースを正しく装着できていなければ、マウスピースが浮く原因になります。
マウスピースは、前歯から奥歯に向かって装着しましょう。装着後はチューイーを噛んで、歯とマウスピースを密着させます。
マウスピースが変形・破損している
マウスピースが変形・破損していることで、浮いていることもあるでしょう。インビザラインのマウスピースは、装着時の違和感を軽減するために非常に薄く作られています。そのため、強い衝撃を受けると変形したり割れたりすることがあります。
マウスピースの専用ケースに入れずに保管していて上に物を置いた、うまく外せず力を入れて無理矢理外したなど、負荷が加わると破損・変形する可能性があるため注意してください。
破損している場合は気付けるかもしれませんが、変形しているだけだと気付けないこともあるかもしれません。マウスピースの装着を2〜3日続けても浮きが改善されない場合や、チューイーを使用しても歯と密着しない場合は、歯科医師に相談しましょう。
マウスピースの浮きの許容範囲は?
許容できるマウスピースの浮きは2mm程度です。10日~2週間程度マウスピースを装着することを考慮すると、交換直後に2mm程度浮いているだけなら問題ないでしょう。
しかし、歯が動いているはずなのに1週間経っても2mm以上浮いたままの場合は、マウスピースが合っていない可能性が高いです。1週間経っても違和感がある場合は、治療計画の修正や調整が必要かもしれません。歯科医院に一度相談してみましょう。
マウスピースがどのくらい浮いているかをご自身で判断するのは難しいので、気になることがある場合は受診して相談してください。
マウスピースが浮いたままだと
インビザライン矯正のマウスピースが浮いたままだと、歯が思うように動きません。歯の移動が遅れるだけなら問題ないかもしれませんが、予期せぬ位置に歯が移動する可能性もあります。
治療計画の修正・変更が必要になると、マウスピースを追加しなければならないでしょう。治療期間が長引くだけでなく、費用の負担も増加するかもしれません。
予期せぬ位置に歯が移動したことで、理想の歯列を得られなくなる可能性もあるでしょう。
また、変形・破損が原因でマウスピースが浮いている場合は、口内が傷つくこともあります。本来は歯茎にマウスピースが触れることはありませんが、変形・破損していると縁が当たるかもしれません。傷口が痛むことで、マウスピースを装着できなくなる方もいます。
マウスピースが浮いたままでは、矯正治療に大きな影響を及ぼします。必ず歯科医師に相談しましょう。
マウスピースが浮くときの対処法
インビザライン矯正でマウスピースが浮くときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。マウスピースが浮いているのを自覚していても、どうすればいいかわからず悩む人も少なくないでしょう。
しかし、放置せず対処をしなければならないこともあります。インビザライン矯正でマウスピースが浮いたときの対処法を確認しましょう。
マウスピースの装着時間を確認する
自分でできる対処法として最初に挙げられるのは、マウスピースの装着時間を確認することです。マウスピースの装着時間は20時間と非常に長いです。
食事や歯磨きの際は外さなければならないので、装着時間をうまく管理しなければならないのです。
しかし、装着時間を確保できていなければ、治療がスムーズにすすみません。1日の装着時間を守れているか不安な人は、時間を管理するアプリを活用するとよいでしょう。
スマホのリマインダー機能やアラーム機能などもうまく活用しながら、装着時間を守ってください。
着脱方法を見直す
装着時間と合わせて、着脱方法も見直しましょう。正しく着脱できていなければ、マウスピースが浮くことがあります。
前歯から奥歯に向かって装着し、奥歯から前歯に向かって外しましょう。また、専用のシリコンでできたアライナーチューイーを噛むことも重要です。うまく装着できている時間が1日に20時間以上必要なので、正しい方法がわからなければ歯科医師に指導してもらいましょう。
ひとつ前のマウスピースに戻す
インビザラインが合わなくてマウスピースが浮く場合は、ひとつ前のマウスピースに戻すのも対処法のひとつです。1日20時間以上とされていますが、長く装着すればするほど治療効果は高まります。
20時間の日が続いた場合は、歯の移動が完了していないかもしれません。一つ前のマウスピースの使用期間を延ばして、歯が移動すれば浮きが改善される可能性があります。
アタッチメントを装着する
インビザライン矯正でマウスピースが浮く場合、アタッチメントを装着して対応することもあります。アタッチメントは、歯を動かすために歯にかける力を細かく調整することが可能な装置です。歯に直接つけて、上からマウスピースを装着します。
アタッチメントは歯と同系色であるため、目立ちにくいのが特徴です。アタッチメントはインビザラインとは異なり、歯の表面に固定するので歯磨きの際は注意しましょう。
アタッチメントをどのくらいつけるか、どのような形状のものをつけるかは治療計画によって変わります。医師と相談したうえで、治療計画に組み込んでいきましょう。
まとめ
インビザラインが浮くと治療計画に遅れが出てしまい、治療期間が長引く可能性があります。トータルでかかる費用も高額になるかもしれません。
マウスピースが浮く原因はさまざまで、原因別に適切に対処する必要があります。インビザライン矯正でマウスピースが常にフィットしていることは稀ですが、浮くと不安に思うでしょう。
治療期間はマウスピースが浮いていないかをチェックし、装着時間や着脱方法などに注意しましょう。マウスピースが大きく浮く場合や、装着を続けても浮く場合は、歯科医院で担当の医師に対処方法を確認してください。
インビザライン矯正を検討されている方は、京都市伏見区にある「ひらうち歯科」にお気軽にご相談ください。