こんにちは。京都市伏見区にある「ひらうち歯科」です。
小児矯正で使用される装置にはいくつか種類があります。お子さまの歯並びを気にされている保護者の方のなかには、プレオルソとはどのような装置なのか疑問をおもちの方もいるでしょう。
この記事では、プレオルソについて詳しく解説します。治療可能な症状やメリット・デメリット、費用についても詳しく解説しますので、お子さまの歯並びにお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
プレオルソとは
プレオルソとは、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期にあるお子さまの歯並びを改善するために使用されるマウスピース型の矯正装置です。
従来の矯正治療のように、歯に力をかけて歯並びを整えていくのではなく、口周りの筋肉(口輪筋・頬筋・舌筋など)や舌の位置などを整えることで、歯並びを間接的に改善していきます。
柔らかい素材でできた取り外し可能なマウスピースを使用するため、痛みが少なく、お子さまへの負担が少ないという特徴があります。
プレオルソで治療できる年齢
プレオルソでの治療は、ある程度の意思疎通ができるようになる3歳頃から開始できます。特に5歳から10歳頃の成長が活発な時期にプレオルソでの治療を開始することで、顎の発育を促し、より高い治療効果が期待できるといわれています。
ただし、開始時期は年齢だけで判断するのではなく、お子さまの成長や歯並びの状態、口腔習癖(指しゃぶりや口呼吸など)の有無などを総合的に考慮する必要があります。
そのため、歯科医師が口腔内の状態を詳しく診察し、必要に応じてレントゲン撮影や口腔内写真撮影などを行ったうえで、お子さんに合った治療開始時期を判断します。
プレオルソの治療目的
プレオルソでの治療の主な目的は、以下のとおりです。
- 口周りの筋肉のバランスを整える
- 正しい舌の位置を覚える
- 正しい飲み込み方(嚥下)を覚える
- 顎の正常な成長を促す
- 将来的な矯正治療の負担を軽減する
プレオルソでは、口輪筋や頬筋などの口周りの筋肉のバランスを整えることで、歯並びを悪くする原因を改善します。また、プレオルソは舌の位置を正しく誘導する役割も果たします。舌が正しい位置(上顎の前歯の裏側)にあることで、歯並びや顎の発育に良い影響を与えます。
舌の筋肉が鍛えられることで嚥下機能(食べ物を飲み込む動作)も改善され、歯並びへの悪影響を防ぎます。さらに、顎の成長期にプレオルソを使用することで、上下の顎のバランスを整え、将来的な歯並びの問題を予防します。
治療によって顎の発育や口周りの環境を整えておくことで、将来的に矯正治療が必要になった場合でも、治療期間の短縮や抜歯のリスクを回避できる可能性があるでしょう。
プレオルソで治療できる歯並び
プレオルソを使用することで、以下のような歯並びの問題の改善が期待できます。
上顎前突
上顎前突とは、上の歯列が下の歯列よりも前に出ているいわゆる出っ歯の状態です。指しゃぶりや口呼吸、舌の癖などが原因となって生じます。
下顎前突
下顎前突とは、下の歯列が上の歯列よりも前に出ているいわゆる受け口の状態です。遺伝的な要因のほか、舌の位置や飲み込み方の癖などが原因となることがあります。
開咬
開咬は、奥歯を噛み合わせても前歯が閉じず、隙間が生じる状態で、オープンバイトとも呼ばれています。指しゃぶりや舌を突き出す癖などが原因となることが多いです。
叢生(そうせい)
叢生は歯が正しい位置に並ばず、重なり合ってガタガタに生えている状態です。顎の成長が不足しており、歯が並ぶスペースが足りないことで叢生になることが多いです。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、奥歯を噛み合わせたときに、上の前歯が下の前歯を過剰に深く覆う状態で、ディープバイトともよばれます。上下の顎の骨の大きさのバランスが悪い場合や歯のサイズが不均衡な場合に生じます。
プレオルソのメリット
プレオルソには、以下のような多くのメリットがあります。
痛みが少ない
プレオルソは柔らかい素材で作られており、成長を利用して治療を行うため、痛みが少なく済みます。これにより、治療中のお子さんの負担や治療への恐怖心を軽減できます。
取り外しが可能
プレオルソは取り外して食事や歯磨きを通常通り行えます。
子どもにとって、いつも通りの生活習慣を維持しながら矯正治療を行える点は大きなメリットといえるでしょう。また、装置を取り外せることで、装置自体の清掃がしやすくなるだけでなく、歯磨きもしやすくなるため、虫歯のリスクも軽減できます。
短時間の装着で効果が得られる
プレオルソは就寝時と日中1時間程度の装着が推奨されています。短時間の装着で済むため、学校や日常生活への影響が少なく、お子さんへの負担を最小限に抑えられます。
成長を利用できる
大人になってからの矯正治療では、歯並びや噛み合わせの改善のために抜歯や大掛かりな外科処置が必要になることがあります。顎が成長する子どものうちに治療を行うことで、これらの負担を回避できる可能性が高まります。
経済的な負担が少ない
プレオルソは従来の矯正装置に比べて費用が安い傾向にあります。そのため、経済的な負担を軽減しながら、効果的な治療を受けることができます。
鼻呼吸に改善できる
口呼吸は歯並びだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。プレオルソで治療することで口呼吸を鼻呼吸に改善する効果も期待できます。
プレオルソのデメリット
一方で、プレオルソには以下のようなデメリットも存在します。
すべての症例に対応できるわけではない
プレオルソの装置には、歯並びの問題に合わせた複数のタイプがありますが、重度の症例には対応できないことがあります。その場合、ほかの治療法を検討する必要があります。
継続的な通院が必要
矯正効果を確認しながら調整するため、定期的な通院が求められます。通院頻度は月に1回程度が一般的ですが、症状によってはさらに頻繁に通院しなければならない場合もあります。
装置の管理が必要
装置の取り外しが可能な分、正しく扱ったり保管したりしないと、紛失や破損のリスクが高まります。また、プレオルソの装着時間を守る必要があるため、自己管理が難しい小さなお子さまの治療ではご家族のサポートが不可欠となります。
再度矯正が必要になる場合がある
プレオルソでは細かい歯並びの調整はできません。そのため、永久歯が生え揃ったあとに、必要に応じてワイヤー矯正などの本格的な矯正治療が必要になる場合があります。
ただし、プレオルソでの治療によって土台が整っていれば、その後の矯正治療はスムーズに進むでしょう。
プレオルソの費用と期間
プレオルソは保険適用外の自由診療となるため、費用は歯科医院によって異なります。歯並びの状態や治療期間にもよりますが、5万円〜20万円程度が一般的です。
この費用に加えて、装置の調整や定期検診に別途費用が発生することがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、プレオルソの治療期間は平均して6ヶ月〜1年程度です。こちらも歯並びの状態や顎の成長、治療への協力度によって大きく差が生じます。効果が現れやすい年齢のうちに治療を始めることで、短期間で治療できる場合があります。
プレオルソをするときの注意点
プレオルソでの治療をする際には、以下の点に注意が必要です。
装着時間を守る
プレオルソは日中1時間程度と就寝時に装着する必要があります。装着時間を守ることで、計画どおりに治療を進められますが、装着時間が短い場合には治療効果が得られにくくなる可能性があるため注意が必要です。
定期検診を欠かさない
治療中は定期的な検診で経過を確認しながら治療を進めていきます。検診を怠ると問題が生じていた場合に発見が遅れ、治療期間が延びる原因にもなるため、忘れないように受診しましょう。
子どものモチベーションを維持する
お子さまが継続して治療を受けられるよう、ご家族が励ましやサポートを行うことが大切です。治療効果を説明し、理解を深めることでより協力を得やすくなるでしょう。
まとめ
プレオルソは、お子さまの成長期に合わせた矯正治療として非常に効果的な選択肢です。治療にはお子さまとご家族の協力が不可欠ですが、早期に治療を開始することにより将来的な歯列矯正の負担を軽減できる可能性が高まります。
お子さまの健やかな成長をサポートするためにも、歯並びにお悩みの方は、早めに歯科医師へ相談するとよいでしょう。
小児矯正を検討されている方は、京都市伏見区にある「ひらうち歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科だけでなく小児歯科や矯正歯科、審美歯科の診療も行っています。診療案内はこちら、ネット予約も24時間受け付けておりますので、ぜひご活用ください。