こんにちは。京都市伏見区にある「ひらうち歯科」です。
歯のクリーニングは、口腔内の健康を維持するために欠かせません。
しかし、多くの人が「どれくらいの頻度で歯のクリーニングを受けるべきか?」という疑問を持っています。一般的には3〜6ヶ月に一度の受診が推奨されていますが、適切なクリーニングの頻度は、個人の口腔内状態や生活習慣によって異なります。
この記事では、歯のクリーニングを受ける適切な頻度と受けるメリット、クリーニング後に気を付けるべき注意点について解説します。
目次
歯のクリーニングに通う適切な頻度
歯のクリーニングの適切な頻度は患者さまによって異なります。ここでは、状況別に歯のクリーニングに通う適切な頻度をご紹介します。
一般的な頻度:3〜6ヶ月に一度
デンタルフロスなども使用してブラッシングをしっかりとできている場合、歯のクリーニングに通う頻度は3〜6ヶ月に一度でよいでしょう。自分に合った歯ブラシで正しい方法でブラッシングを行っている人や、デンタルフロスを併用している人はこの範囲に含まれます。
また、歯並びが良く磨き残しのリスクが低い人や、歯石が付きにくい体質の人も同様に、3〜6ヶ月ごとのクリーニングで十分でしょう。
虫歯になりやすい人:1〜2ヶ月に一度
虫歯ができやすい方や歯周病と診断された人は、1〜2ヶ月に一度の頻度で歯のクリーニングに通いましょう。甘いものを頻繁に摂取する人や、口呼吸の習慣がある人、詰め物や被せ物が多く入っている人は虫歯になりやすいため注意が必要です。
歯のクリーニングを定期的に行うことで、虫歯や歯周病のリスクを軽減し、既に発症している歯周病の進行を防ぐことができます。
歯石や着色汚れが気になる人:2〜3ヶ月に一度
歯石がつきやすい人や着色が気になる人には、2〜3ヶ月に一度の歯のクリーニングが推奨されます。歯垢や歯石を定期的に除去し、口腔内の健康を維持するために、クリーニングが非常に重要です。
歯石は自宅でのブラッシングでは取り除くことができないため、専門家による処置が必要となります。また、コーヒーや紅茶、タバコなどによる歯の着色も、定期的なクリーニングで取り除くことが可能です。
歯並びが悪い人:1〜2ヶ月に一度
歯並びが悪い人は、1〜2ヶ月に一度の頻度で受けると良いでしょう。歯並びが悪いと、歯ブラシが届かない箇所が生じます。歯垢が蓄積しやすく、歯周病や虫歯の原因となるためです。
歯並びが悪いと歯間の隙間が狭くなるので、歯石の蓄積を促進します。歯石は硬化した歯垢であり、通常の歯ブラシでは除去が困難なため、専門家によるクリーニングが必須となります。
特に、歯磨きが難しいと感じる人は、歯科医院での定期的なクリーニングによって歯周病や虫歯のリスクを大きく減少させることが大切です。
タバコを吸う人:1〜2ヶ月に一度
タバコを吸う人も、1〜2ヶ月に一度歯のクリーニングを受けたほうがよいでしょう。タバコの煙が歯に歯垢や歯石を多く付着させるためです。タールによって着色や歯周病、口臭のリスクも高まります。
1〜2ヶ月に一度クリーニングを受けることで、喫煙による口腔内の悪影響を最小限に抑え、健康を維持することができます。
歯のクリーニングで行う内容とは?
歯のクリーニングでは、ただ歯を清掃が行われるだけではありません。口腔内の検査や歯磨き指導も含まれます。
以下に、歯科医院で行われる歯のクリーニングの流れについて解説します。
口腔内の検査
歯のクリーニングを実施する前に、患者さまの口内の現状を把握するためにさまざまな検査を行います。
虫歯の有無の確認、歯周ポケットの深さの測定、測定時の出血の確認などを行います。歯の動揺度のチェック、磨き残しがないかの確認、歯石の付着状態のチェックも含まれます。
これらの検査を定期的に行うことで、前回のクリーニング時から歯茎の状態がどのように変化しているかを確認できるのです。また、患者さま自身のセルフケアによってどれだけ汚れを落とせているかも評価することが可能になります。
歯磨き指導
磨き残しのチェックから、磨けていない部分を発見します。歯ブラシの選び方や使い方、ブラッシングの順序や角度、歯磨き粉の適切な使用方法について詳しく指導します。
また、歯ブラシだけでは届かない場所のケアのために、歯間ブラシやフロスなどの補助的な道具の使い方についてもアドバイスを行います。
歯垢・歯石の除去
歯のクリーニングでは、専門の器械や器具を用いて歯石やプラーク(歯垢)の除去を行います。プラークとは細菌の塊であり、1mg中には約300種類、1億個もの細菌が存在しているとされています。
歯垢は柔らかい状態ですが、放置するとバイオフィルムという膜を形成し、歯科医院の専門器具を使用しないと除去が困難になります。
歯石は、プラークが唾液中のカルシウムやリンと結合し石灰化したものです。硬質なため通常のブラッシングでは除去できません。歯石の表面はザラザラしており、新たな汚れが溜まりやすいです。
プラークや歯石は、早期にクリーニングすれば比較的容易に除去可能ですが、長期間放置すると硬化して除去が難しくなります。定期的にクリーニングを行うことで、口腔内の衛生状態を保ち、虫歯や歯周病などのリスクを低減させることができます。
フッ素塗布
歯のクリーニングが終わった後に、フッ素を塗布します。クリーニングによって汚れが除去された清潔な歯の表面にフッ素を塗ることで、歯質を強化して虫歯を予防します。
フッ素塗布は、主に子どもの虫歯予防策として知られていますが、大人においても同様に虫歯予防の効果があります。特に、年齢を重ねると歯茎が下がり、歯の根っこの部分が露出しやすくなります。
露出した根っこの部分は虫歯になりやすいため、フッ素を塗布することで根面う蝕の予防に繋がります。
歯のクリーニングに通うメリット
適切な頻度で歯のクリーニングに通うメリットは、虫歯や歯周病を予防したり、歯本来の白さを取り戻したりできる点です。また、口臭の改善や予防にも効果的です。
虫歯や歯周病を予防できる
歯のクリーニングに通うことによる最大のメリットは、虫歯や歯周病を予防できる点にあります。
虫歯や歯周病の主な原因は、歯石に付着した細菌です。日常の歯磨きでは歯石を完全に取り除くことが難しいため、プロフェッショナルな歯のクリーニングによって除去する必要があるのです。
また、クリーニングの際にはフッ素を塗布することが一般的です。フッ素には歯の再石灰化を促進し、エナメル質を修復する作用があります。歯を強化し、虫歯や歯周病のリスクを大幅に低減させることが可能です。
歯本来の白さを取り戻せる
歯のクリーニングには、歯の本来の色を取り戻すことができるというメリットがあります。日常生活での飲食によって歯に付着したワイン、コーヒーなどの色素や、歯石などの汚れが歯のクリーニングによって取り除かれるため、自然な歯の色を取り戻すことが可能です。
しかし、歯のクリーニングにはホワイトニング効果はありません。あくまでも歯の本来の色を回復させるものである点に注意が必要です。
歯をさらに白くしたい場合は、ホワイトニングを受ける必要があります。
口臭の改善や予防に期待できる
歯のクリーニングが口臭の改善や予防に効果的である理由は、歯石に付着している細菌が口臭の悪化を招くためです。日常的に丁寧な歯磨きを行っても、歯石は完全には除去できません。
歯のクリーニングによって歯石を取り除いて細菌の繁殖を抑えることが、口臭を改善し予防する上で非常に有効です。
しかし、口臭の悪化には細菌が発するガス以外の原因もあります。歯のクリーニングは口臭改善の手段の一つであることを理解しておく必要があります。
歯のクリーニングを受けたあとの注意点
クリーニングを受けたあとの歯は敏感になっているため、着色しやすい飲食物や刺激の強い飲食物の摂取に気を付けなければなりません。
着色しやすい飲食物を避ける
歯のクリーニングを受けた後は、歯の表面にある保護膜であるペリクルが一時的に取り除かれるため、着色しやすい状態になります。クリーニング直後は歯が黄ばみやすくなることがあるので、最低24時間は色の濃い飲食物を避けたほうが良いでしょう。
特に、カレーやコーヒー、ワイン、お茶などの色素が強い飲食物は、着色の原因となりやすいため注意が必要です。
熱いものや冷たいものの摂取を控える
着色だけでなく、外的な刺激に対して非常に敏感になっています。熱いものや冷たいものを摂取する際に歯が痛みを感じやすいでしょう。
クリーニング後は、歯に刺激を与える熱い飲食物や冷たい飲食物を避けてください。食事は、クリーニングから最低でも1時間後に行うことが推奨されます。
歯のクリーニングの費用はどれくらい?
歯垢・歯石の除去にかかる費用は、健康保険が適用される場合、3割負担で約1,000円から3,500円程度です。
ただし、歯垢や歯石の量が多い場合や口内環境が悪い場合は、治療を複数回に分けて行う必要があります。通院回数が増えるほど総額が高くなるため、費用や治療期間については事前に医院と相談することが重要です。
また、健康保険の適用外であるクリーニングの場合、費用は5,000円から2万円程度かかることが多く、医院によって提供されるサービス内容も異なります。受診前にどのような処置が行われるのか確認しておくとよいでしょう。
まとめ
歯のクリーニングに通う頻度は一般的には3〜6ヶ月に一度です。歯石が付着しやすい人や歯並びが悪い人、タバコを吸う人などは、1〜3ヶ月に一度と短い期間で通う必要があります。
歯のクリーニングは虫歯や歯周病予防、口臭の改善、本来の歯の色を取り戻すことに効果的です。歯石やプラークの除去は専門の器具を使用して行われます。早期に除去することで、口腔内の健康状態を維持しやすくなります。
クリーニング後は、ペリクルの一時的な除去により歯が敏感になっているため、色の濃い飲食物や刺激の強いものの摂取を控えましょう。日頃のセルフケアと併せて、適切な頻度で歯のクリーニングを受けることで口腔内トラブルを予防しましょう。
歯のクリーニングを検討されている方は、京都市伏見区にある「ひらうち歯科」にお気軽にご相談ください。