こんにちは。京都市伏見区にある「ひらうち歯科」です。
インビザラインは、マウスピース型の歯列矯正の治療方法です。透明で目立ちにくく着脱可能なマウスピースを使用するため、人気のある歯列矯正方法のひとつです。
インビザラインで前歯だけを治療できることをご存じでしょうか。前歯は歯並びで最も目立つ部分であり、前歯だけ治療したいという方は非常に多いです。
この記事では、インビザラインで前歯だけを矯正治療する方法や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。記事の後半では、適応症例や治療にかかる期間についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインで前歯だけを治療できる?
インビザラインは、全体矯正と部分矯正のどちらにも対応できる矯正方法です。部分矯正とは、前歯など一部の歯だけを矯正する方法で、「気になる部分だけ治療したい」という方から選ばれています。
インビザラインの部分矯正には、以下の3つのプランがあります。
- インビザライン Go
- インビザライン・ライト
- インビザライン・エクスプレス
上記のプランが、部分矯正に対応したインビザラインのプランです。それぞれ使用できるマウスピースの枚数や治療期間、金額が異なります。
歯並びの状態によって最適なプランを歯科医師が選択するため、気になる方は歯科医院でカウンセリングを受けてみましょう。
インビザラインで前歯だけを治療するメリット
インビザラインは透明のマウスピースを使用するため目立ちにくく、矯正治療をしていることに気づかれにくいです。さらに、食事や歯磨きの際に取り外しができるためいつも通りの食事や歯磨きができ、口腔内を清潔に保つことができるメリットがあります。
上記は全体矯正にも部分矯正にも共通するメリットですが、前歯だけを治療するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
治療期間が短い
前歯だけを治療する部分矯正では、歯を動かす距離や本数が少ないため、全体矯正と比べて治療期間が短いです。前歯は奥歯よりも比較的動きやすいことも、治療期間が短くなる理由のひとつです。
全体矯正では約1~3年程度の治療期間を要しますが、部分矯正なら3~6か月程度で治療が終了します。結婚式や就職活動前に「あまり時間をかけずに気になる前歯だけを治療したい」と希望される方から選ばれています。
費用を抑えられる
歯を動かす距離や本数が少なく治療期間も短いため、費用も全体矯正の約半分程度に抑えられます。インビザラインのプランによって異なりますが、費用の相場は約30~60万円です。
矯正治療は自由診療で保険適用外のため、費用は高額になることが多いです。部分矯正だけであれば費用を抑えられるので、高額な費用がネックになっていた方でも利用できるかもしれません。
インビザラインで前歯だけを治療するデメリット
インビザラインで前歯だけを治療する際には、デメリットも伴います。以下に挙げる4つのデメリットについては、治療前にしっかりと理解しておく必要があります。
治療できる症例が限定される
インビザラインで前歯だけを治療するのは、部分矯正にあたります。部分矯正では、治療できる症例がある程度限定されるので注意が必要です。
出っ歯や受け口など、前歯だけに問題がありそうな症例であっても、実際は歯を全体的に移動しないと治療できないケースもあります。そのような場合は、部分矯正だけで治療することはできません。
前歯だけの部分矯正が可能かどうかは、歯科医師に相談するのがよいでしょう。以下に、前歯だけの部分矯正では難しい症例を挙げます。
抜歯が必要な症例
歯を並べるためのスペースがない場合や、歯の重なりが大きい場合は、抜歯をしなければならないケースが多いです。抜歯が必要なケースは歯の移動距離が長くなるので、使用できるマウスピースの枚数が限られているインビザラインの部分矯正では対応できないかもしれません。
噛み合わせや歯並びが非常に悪い症例
部分矯正は、特定の歯のみを治療する方法です。そのため、前歯だけでなく全体の歯並びが悪い場合や、歯を大きく動かす必要がある場合は難しいでしょう。
奥歯の噛み合わせが悪い場合も、部分矯正の適応になりません。このような症例では、全体矯正で治療する必要があります。
骨格の問題による不正咬合
顎の骨ごと前に出ている出っ歯・受け口・口ゴボなど、骨格に問題がある場合は、部分矯正だけでは治療できません。このような症例では、外科手術を含む矯正治療が必要になることもあります。
噛み合わせまでは改善できない
インビザラインで前歯だけを治療する場合の主な目的は、前歯の見た目を整えることです。そのため、奥歯の噛み合わせまでは改善できません。
噛み合わせが非常に悪く奥歯まで歯を動かさなければならない場合は、全体矯正を検討したほうがよいでしょう。治療前の歯並びの状態によっては、前歯だけ治療することで噛み合わせが悪くなってしまうケースもあります。
口元のシルエットやEラインは大幅に変わらない
Eラインとは、鼻先と顎を結んだ線のことです。一般的には、鼻先と顎先を結んだ線の内側に口が入っている状態が、理想の横顔とされています。
しかし、出っ歯や口ゴボなどで口元が前に出ている方は、Eラインが美しくない場合があります。Eラインは歯列矯正で改善できる可能性がありますが、前歯だけの部分矯正では、口元のシルエットやEラインは大幅に変わらないことがあります。
歯を削る場合がある
矯正治療では、歯を動かすためのスペースが必要です。歯を動かすためのスペースが不足している場合は、歯を削って歯を綺麗に並べるためのスペースを作る必要があります。これは全体矯正でも部分矯正でも同様です。
歯を削るといわれると不安に感じるかもしれませんが、削る量は歯1本あたり0.2~0.25mm程度です。健康上の問題はないといわれています。
歯を削る必要があるかどうか、何本削る必要があるのかどうかについては、歯並びの状態によって個人差があります。歯を削る必要があるのかどうか気になる方は、治療前のカウンセリングの段階で歯科医師に確認しましょう。
インビザラインで治療できる前歯の症例
インビザラインで前歯だけの治療ができる症例をご紹介します。
軽度の乱杭歯(叢生)
前歯の歯並びが軽くガタガタしている程度であれば、部分矯正が適応になる場合が多いです。例えば、前歯数本だけ前に出ていたり後ろに倒れていたりするケース、前歯が少し重なっているケースが挙げられます。
重度の場合は抜歯をして全体矯正をする必要があります。
軽度の出っ歯
前歯の傾斜の治療だけで改善できる場合や、奥歯を動かす必要がない場合、骨格に問題がない1~2本程度の出っ歯の場合は、部分矯正で治療できる可能性が高いです。矯正治療による効果を短期間で実感しやすい症例でもあります。
空隙歯列(すきっ歯)
歯と歯の間に不自然な隙間が生じる空隙歯列(すきっ歯)も、多くの場合は部分矯正で改善が可能です。
しかし、隙間が大きすぎる場合は奥歯まで動かす全体矯正が必要なケースもあります。部分矯正で治療可能かどうかは、歯科医師に相談してみましょう。
前歯の開咬(オープンバイト)
上下の前歯に隙間が生じるオープンバイトの場合も、骨格の問題がなければ部分矯正で改善できる可能性が高いです。また、オープンバイトはマウスピース矯正が得意とする症例のひとつでもあります。
インビザラインで前歯だけを治療する場合にかかる期間
インビザラインで前歯だけを治療する場合、治療期間は3~6か月程度かかります。歯並びの状態によって治療期間が長くなる場合もありますが、一般的には1年以内に治療は終了します。
まとめ
この記事では、インビザラインで前歯だけを治療する方法について、メリットやデメリット、具体的な症例、治療期間について解説しました。歯列矯正は決して安価な治療とはいえませんが、前歯だけの部分矯正であれば、全体矯正と比較して費用を抑えつつ歯並びを改善できます。
ただし、部分矯正では噛み合わせや口元のシルエットの改善は期待できません。また、部分矯正が難しいケースもあるため、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。
インビザラインでの前歯の治療を検討されている方は、京都市伏見区にある「ひらうち歯科」にお気軽にご相談ください。