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コラムcolumn

良質な治療だから価値がある、自費と保険の違いを解説!

目次

保険診療、自費診療の違いは?

皆さんは、病院に行かれた際に、「自費診療」について説明を受けた経験はありますか?

日本の保険制度は全ての人が公的医療保険に加入する【国民皆保険制度】なので、
高額な医療費の負担が軽減され、平等かつ安い医療費で医療を受けられます。

一方で自費診療(自由診療)は、公的医療保険が適用されないので、保険制度の枠に捉われず、保険診療より更に品質の高い診療の選択が可能です。

歯科においての自費診療は?

歯科での自費診療は主に

  • ・顎骨に人工歯根を埋入するインプラント治療
  • ・歯列矯正治療
  • ・ホワイトニング治療
  • ・審美面や、生体的に優れた材料を使用した歯の被せ物(補綴物、ほてつぶつ)

等があります。

今回は、歯の被せ物にスポットを当て、保険診療、自費診療のメリット・デメリットを
正しく理解して頂き、患者様に最適な選択をして頂けるよう、それぞれの違いを解説いたします。

保険診療での被せ物と特徴

保険範囲内の補綴物の材料は大きく分けて、

  1. ① メタル(金属)
  2. ② レジン

この2つの材料からなります。

1つ目のメタルを使用した補綴は、保険範囲内とイメージすると、最もポピュラーなのが銀色の被せ物ではないでしょうか?

一般的に使用される金属は、「金銀パラジウム合金」と呼ばれる物で、銀をメインに、金、パラジウム、銅で組成される歯科用の金属になります。

他には、銀合金(シルバー)や、最近ではチタンも保険適用の材質となり、使用されています。

2つ目のレジンは、プラスチックレジンを光照射で固めて製作する物や、金属フレームの前面にレジンを盛り白く見せる、メタルとレジン両方使用した【前装冠】と呼ばれる被せ物があります。(前歯部分のみ保険適用)

保険診療で唯一のデジタル技工「CAD/CAM冠」

また、近年ではレジン素材でCAD/CAM冠(キャドキャム冠)と呼ばれる補綴が急速に普及しています。
CAD(設計)、CAM(加工)の名前通り、パソコン上で歯のデザインをし、加工機で削って製作する、金属を使用しないデジタルの被せ物になります。

自費診療では、デジタル技工が当たり前になりつつありますが、保険の補綴物で唯一のデジタル技工がCAD/CAM冠になります。

では、この2つの素材の良し悪しはどんなものでしょうか?

メタルの被せ物のメリット・デメリットは?

【メリット】

  • ・保険適用の為、安価な治療費で済む
  • ・強度が高い為、割れにくい
  • ・歯の削合量を少なく製作できる

【デメリット】

  • ・銀色の為、ご自身の天然歯と色が調和しない、目立つ
  • ・長年使用しているうちに金属成分が溶け出し、歯茎が黒ずんでくる可能性がある
  • ・金属アレルギーのリスクがある
  • ・経年劣化により、歯と銀歯の間に隙間ができ、虫歯のリスクが高まる

保険範囲内の金属補綴は、金銀パラジウム合金が一般的ですが、
銀合金(シルバー)も保険範囲内で使用される金属です。
安価で安定供給されており、アクセサリーにも良く使用されます。

ただ、シルバーアクセサリーは放置していると、変色するイメージはありませんか?
お口の中でも、経年劣化で補綴自体が黒くなったり、金属イオンが流出し歯茎が黒ずんできたりします。
金銀合金パラジウムも、銀合金の含有量が50%前後なので、同様な現象が起こる可能性がありますし、アレルギーリスクもあるのです。

また、傷も付きやすいので、結果、傷の凹凸にプラークが付きやすく、虫歯になるリスクも高いのです。

金属の中でも体に優しい素材、チタン

同じメタルでもアレルギーのリスクが非常に少ない、生体に優しい金属も保険範囲で選択できます。

それがチタンです。

顎骨に埋入するインプラント体や整形外科での人工関節など、体内に埋め込んでも問題無いほど生体への悪影響が少なく、高強度で耐食性に優れた材質です。
ただしデメリットとしては、金属なので、お口の中で色が目立つという事と、傷が着きやすいという事が挙げられます。

金属の補綴で共通したメリットは、歯ぎしりをする方や咬合力が強い方でも、割れにくく丈夫な点と、補綴自体の厚みが薄くても耐久力がある為、歯を削る量が少ないというメリットがあります。

では、レジンの材質の場合はどうでしょうか?

レジン素材の被せ物メリット・デメリットは?

【メリット】

  • ・保険適用の為、安価な治療費で済む
  • ・白い歯の為、目立ちにくい
  • ・メタルを使用しないので金属アレルギーの心配がない

【デメリット】

  • ・吸水性がある為、経年劣化が早い、変色してくる
  • ・経年劣化する為、被せ物と歯の間に隙間ができ、虫歯のリスクが高くなる
  • ・咬み合わせが強い方は、割れる可能性がある
  • ・金属と比べ歯を削る量が多くなる

レジン素材は、材料自体が白いため、ある程度ご自身の歯の色に近い状態で補綴を製作する事が出来ます。
金属の補綴と比べると、見た目は一目瞭然ですが、経年劣化し、割れやすい材質です。

経年劣化していくレジン材料

また、プラスチックの食器にカレーなど色の濃い食べ物を盛ると、色移りしてしまった経験はありませんか?
レジンの歯も同じで、吸水性がある為色移りしやすく、変色します。
着色が浸透している状態なので、ハブラシで落とそうと思っても、落とせないのです。

レジン素材も金属と共通し、傷が付きやすく、プラークコントロールが難しい材質になります。

では、自費の補綴はどうでしょうか?

自費診療での自費補綴と特徴

自費診療の材料は主に

  1. ① 金(ゴールド)、白金加金(プラチナ)等の高価値の金属
  2. ② レジンにセラミック粒子を混ぜ合わせたハイブリットレジン
  3. ③ 金属フレームに陶材を築盛するメタルボンド
  4. ④ オールセラミックス

の4種類に分類されます。

①のゴールドは、柔軟性があり、被せ物とご自身の歯に隙間が出来ず、適合が良くなるメリットがあり、且つ錆びない特性があります。
パラジウムに比べ有害な物質が溶け出し、歯茎を黒くするといった心配はありません。
しかし金属なので口腔内で目立つといったデメリットがあります。

②の自費のレジン材料は、「ハイブリットレジン」と呼ばれ、ガラスの粒子を混ぜたレジンになります。透明感があり、天然歯の色調再現も可能です。
レジンなので、保険適用のレジン同様、割れるリスクや変色が起きるリスクがあります。

③のメタルボンドは、陶材でご自身の天然歯の色調に合わせられ、金属フレームなので補綴自体が割れたりする可能性は滅多にありませんが、咬み合わせが強い方や、調整不足の場合には陶材部分が欠ける場合があります。

④のオールセラミックは、近年の自費の被せ物では最も多く使用されており、その中でも「ジルコニア」という材質が一般的になっています。

それぞれの材料にメリットはあるのですが、特に材料的に優れたオールセラミックの
「ジルコニア」に特化してメリット・デメリットをご紹介します!

ジルコニアのメリット・デメリットは?

【メリット】

  • ・審美的に優れている、透明度が高く天然歯と同じ色調の再現が可能
  • ・吸水しないので、変色しない
  • ・金属アレルギーの心配がない
  • ・傷が付かないので、食渣やプラークが付きにくく、虫歯になりにくい

【デメリット】

  • ・自費診療の為、費用が掛かる
  • ・硬さはあるが、セラミックの為割れるリスクがある
  • ・歯を削る量が金属の被せ物と比べ多くなる

見た目も、生体的にも、全てクリアの優秀材質ジルコニア

ジルコニアは人工ダイアモンドと言われ、透明感があり、ご自身の天然歯との色調再現が可能です。一般の方では、どの歯が被せ物か見分けがつかない程、リアルに再現が可能です。

生体面においても、セラミックは表面が滑らかなので、金属やレジンと比べると傷がつきにくい材質になります。汚れもサッと落ちる為プラークの付着リスクも減り、結果として虫歯になりにくいメリットがあるのです。
もちろんメタルフリーなので金属アレルギーの心配も無く、正に生体的に非常に優れています。

デメリットしては、金属と比べ、厚みを確保して製作しないと割れてしまうリスクがある為、歯の削合量が多くなります。
また、硬い素材でもあるので、装着時の調整で滑沢に研磨しないと、対合歯を傷つけてしまう可能性もあります。

このデメリットに関しては、歯科医師と歯科技工士の連携により改善可能なデメリットになりますので、材質的には正に審美・生体的にとても優れたものになるのです。

まとめ

保険適応の材料でも、審美面や、生体的に考慮された素材が使用されるようになりましたが、後々の口腔内状況を考慮すると、自費補綴に劣る部分があるのは確かです。

自費診療は保険に比べ、材料の選択肢も増え、その材質ごとのメリット・デメリットがありますので、歯科医師と相談し比較検討されると良いでしょう。

きちんと説明を受け理解した上で、患者様には選択して頂きたいですし、メリットがあるからこそ高価値のある診療費になってしまいます。

ご自身にあった選択をし、患者様のQOLに繋がる被せ物に出会っていただければ幸いです。

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