こんにちは。京都市伏見区にある「ひらうち歯科」です。
歯ぎしり・食いしばりは多くの人が悩む症状ですが、これらの症状があってもインビザライン治療を希望する方は少なくありません。歯列矯正と聞くと、歯ぎしり・食いしばりが障害となるのではないかと心配される方もいるでしょう。
この記事では、歯ぎしり・食いしばりの原因とインビザライン治療の可否、そして症状がある場合の具体的な対処法について詳しく解説します。
目次
歯ぎしり・食いしばりとは
歯ぎしりとはギリギリと音を立てて歯をすり合わせる行為で、食いしばりとは歯をぐっと噛み合わせる行為です。主に睡眠中に行われ、歯や顎に大きな負担を与えます。
正確な原因は現在のところ明らかになっていませんが、ストレスや歯の噛み合わせが影響していると考えられています。個々で原因は異なるため、一概には言えないのが現状です。通常、人間の歯は1日にわずか15〜20分程度しか接触していません。
しかし、ストレスや歯の噛み合わせの不具合が原因で、無意識のうちに食いしばったり、夜間に歯ぎしりをしたりすることがあります。この状態が続くと、歯や顎への過度なストレスが積み重なり、さまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。
子どもの場合も、大人と同様に歯ぎしりをすることがあります。特に乳歯が生え始める時期や乳歯から永久歯に生えかわる際に、上下の歯の噛み合わせが変化し、無意識のうちに最適な位置を探るために歯ぎしりをすることがあります。
歯ぎしり・食いしばりが起こる原因
先ほど歯ぎしり・食いしばりはストレスや噛み合わせが影響している可能性があると説明しましたが、その他にも考えられる原因がいくつかあります。
歯ぎしり・食いしばりが起こる原因について、以下に詳しく解説します。
ストレス
歯ぎしり・食いしばりは、心理的な要因によって引き起こされる行為といわれています。具体的には、日々の心配事や不安、疲労などが蓄積し、これらのストレスが無意識のうちに歯ぎしり・食いしばりとして現れることがあるのです。
集中や緊張
集中しているときや緊張しているときに歯ぎしりや食いしばりをすることもあります。特に仕事中、または緊張感が高まっている状況では、この習慣が顕著に現れることが多いでしょう。
噛み合わせが悪い
歯ぎしり・食いしばりの原因として、歯の問題も挙げられます。例えば、被せ物の高さが適切でない場合、歯の噛み合わせが不均一になり、無意識のうちに歯を強く噛みしめる行為につながることがあるのです。
喫煙や飲酒
歯ぎしり・食いしばりは、浅い眠りの間に発生することが多いです。アルコールとタバコに含まれるニコチンは、睡眠の質を悪化させることがあり、これが浅い眠りを引き起こす原因になります。
その結果、睡眠中に無意識に歯を食いしばったり、歯ぎしりをしたりすることが多くなります。
枕の高さが適切でない
高い枕や体に合わない枕を使用すると、歯ぎしりが起こりやすいといわれています。特に高い枕を使用すると、首に角度がつき、うつむいた姿勢になりやすいため、奥歯を無意識に噛みしめる姿勢になりがちです。
歯ぎしり・食いしばりが歯にもたらす影響
歯ぎしり・食いしばりが歯にもたらす影響は、以下の通りです。
歯が割れたり欠けたりする
歯ぎしり・食いしばりをすると、歯に強い力が持続的に加わるため、歯自体が割れたり欠けたりする原因になります。また、歯の詰め物や被せ物が割れたり欠けたりすることもあるでしょう。
さらに、エナメル質が薄い部分には特に影響が現れやすく、これらの部分から欠け始めることもあります。
知覚過敏を起こす
歯ぎしり・食いしばりによって歯が割れたり欠けたりすると、通常守られている象牙質が露出することがあります。象牙質が露出すると、虫歯がなくても冷たいものがしみたりする知覚過敏を引き起こすことがあるのです。
歯がすり減る
歯ぎしり・食いしばりの習慣があると、歯がすり減りやすくなります。特に、歯のエナメル質同士が激しくぶつかり合うことにより、削れることがあるのです。歯の表面がすり減ると、さまざまな歯の問題を引き起こす原因になります。
虫歯のリスクが高まる
歯ぎしり・食いしばりによって歯に過度な力が加わると、歯にヒビが入ることや割れることがあります。歯にヒビがあると、そこから虫歯菌が入り込み、虫歯になるリスクが高まるのです。
歯周病が悪化する
歯周病の方が歯ぎしり・食いしばりをすると、過度な力が歯に加わり、症状の悪化を招くことがあります。既に弱っている歯肉や歯にさらに負担がかかり、歯周病の進行を速める可能性が高まるのです。
歯がぐらつく
歯ぎしり・食いしばりによる強い圧力が、歯を支える骨に負荷をかけることがあります。この結果、歯がグラグラと動揺し始めることがあるのです。
ただし、他に歯周病などの問題がなければ、食いしばりを改善することで、この動揺は治まる可能性があります。
歯が移動する
持続的に歯に強い力が加わると、歯が移動し、特に縦方向の圧力によって歯の圧下が起こることがあります。歯が歯茎の中に埋まるような状態になり、特に奥歯が圧下すると、噛み合わせがズレ、前歯が前方に開くような状態になることがあります。
全体の噛み合わせが悪化すると、さらに多くの問題を引き起こす原因になるでしょう。
歯髄炎を起こす
歯ぎしり・食いしばりによって過度な力が歯にかかることで、稀にですが歯の神経(歯髄)に炎症が生じることがあります。この状態を歯髄炎といい、発生すると歯に強い痛みを感じるようになります。
歯髄炎は、歯の健康を著しく損なう重大な問題であり、早急な治療が必要です。
歯ぎしり・食いしばりがあってもインビザラインはできる?
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも、インビザライン治療を受けることは可能です。
ただし、これらの症状が強い場合には、使用するマウスピースにダメージを与える恐れがあるため、治療前には歯科医師との相談が必要です。
歯ぎしり・食いしばりによってマウスピースが割れると、治療期間や費用に影響を及ぼす可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりでマウスピースが割れた場合の対処法
歯ぎしり・食いしばりによってマウスピースが割れた場合、そのまま使用を続けることは避けましょう。割れたマウスピースを接着剤で修理することも厳禁とされています。マウスピースが割れたら、早めに歯科医師に相談してください。
マウスピースが割れた場合、基本的には新しいものを作り直す必要がありますが、交換予定が近い場合には新しいマウスピースに交換して対応することもあります。いずれにせよ、早急に歯科医師に相談することが重要です。
歯ぎしり・食いしばり癖を治す方法
歯ぎしり・食いしばりの癖があってもインビザライン治療は可能ですが、場合によっては治療期間が延びる可能性があります。また、追加で治療費がかかる場合もあるでしょう。
以下に、歯ぎしり・食いしばりの癖を治す方法をご紹介するので、ぜひ実践してみてください。
歯ぎしり・食いしばりをしていないか意識する
歯ぎしり・食いしばりの癖を改善するためには、まず自分の顎の緊張に意識を向け、力んでいると感じたら顎の力を抜き、上下の歯が接触しないように心がけることが重要です。
日常生活の中で積極的に実践することで、歯ぎしり・食いしばりの症状を自然と軽減させる効果が期待できます。
ストレスを溜めない
人間はストレスを感じると無意識に歯を食いしばることがあります。ストレスを完全に排除するのは難しいですが、リラックスする時間を意識的に作り、積極的に休息を取ることでストレスを軽減し、歯ぎしりの頻度を減らすことができるかもしれません。
ストレス管理は、歯ぎしり・食いしばりの習慣を改善するための重要な対策です。
噛み合わせを調整する
噛み合わせが悪いことが歯ぎしり・食いしばりの原因になっている場合には、噛み合わせを調整してもらうとよいでしょう。噛み合わせを調整してもらうことで改善される場合があります。
まとめ
歯ぎしり・食いしばりの原因は、ストレスや不適切な噛み合わせなどさまざまです。歯ぎしり・食いしばりをすると、歯が割れたり、歯がすり減ったりします。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、歯を食いしばっていないか意識することが重要です。また、ストレスを溜めないようにすることで歯ぎしり・食いしばりを改善できる可能性もあるでしょう。
歯ぎしり・食いしばりがあってもインビザライン治療は可能ですが、マウスピースが割れる可能性があります。それに伴い、治療期間が延びたり、費用が増えたりすることもあるので、事前に歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、京都市伏見区にある「ひらうち歯科」にお気軽にご相談ください。